経済連携協定(EPA)をGDP規模で比較
RCEP、TPP11、USMCAなど地域的な経済連携協定については度々ニュースになりますが、GDP規模で比べてみると、どこがどのぐらい大きいのでしょうか?2019年のGDPで算出しました。
APECがGDP規模で世界の61.1%
(データ出所:「IMF DataMapper」をもとに作成)
APEC(アジア太平洋経済協力)には、加盟国によるFTAAP(エフタープ、アジア太平洋自由貿易圏)構想があり、これが実現すればGDP規模で世界の6割超となります。
ここにはアメリカ、中国、日本のGDP上位3ヵ国が加わっています。
APEC参加国・地域…日本、中国、香港、台湾、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、米国、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー、ロシア
インドが不参加となったRCEP(東アジア地域包括的経済連携)も世界のGDPの約3割を占める規模。インドが加われば3割超えとなります。
RCEP参加国…日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス
国別でみると1位のアメリカはGDP規模で世界の約4分の1(24.5%)を占めています。
なので、アメリカが入っている協定は規模が大きくなるんですね。
例えば、2020年7月に北米自由貿易協定(NAFTA)に代わって発効したUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)は、3ヵ国によるものですが27.9%とRCEPとほぼ同じ規模になっています。
また、アメリカが入るか入らないかの違いが大きいのがTPP。アメリカなしのTPP11だとGDP規模は世界の12.9%ですが、アメリカありのTPP12なら24.5%がプラスされて、37.4%となります。
TPP11参加国…日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー
最後にイギリスが離脱したEUはどのぐらいかというと、世界のGDPの17.8%。
2割を切ってしまっています。
EUの中で最もGDP規模が大きいのはドイツですが、このドイツと中国のGDPを足すと20.8%になります。現EUよりGDP規模で上回るんですね。
ドイツが中国に接近しているのは、こんな計算があるのかもしれません。